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ひらひらり  5
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 目の前の男は誰かに似ていた。
 確かに一見整った、一子好みの顔立ちはしてる。おそらくは男前の範疇に入るだろうその顔が、けれどイマイチ引き締まって見えないのは、人の好さそうな目許の所為だと間近に見ながらぼんやり思った。その目許が俺のよく知る誰かに似ていた。
 誰だっけ?
「え、と…」
 川嶋一平は俺に呼び止められ明らかに動揺していた。それでもすぐに相好を崩して笑いかけてくる。くしゃっと。犬っころみたいに人懐こい笑顔を見せた。
「一子ちゃんのこと、かな?」
 いきなり相手から切り出してきた。
 一子ちゃん?
 つい視線が硬くなった。
 その視線の意味に全く気付いていないのか、川嶋一平は照れ臭そうに後ろ頭をぼりぼり掻いている。こいつ、鈍い。
「いや、ほんと、君には悪いことしたね」
「……」
 悪いこと?
 意味がわからない。こいつ、何言ってんだろ?と、相手の顔を見詰め真意を探る。
 どんな理由でどう決着をつけようとこのひとのところへ来たのかは、自分でも曖昧だった。ただ一子との関係を確かめずにはいられなかった。
 どちらにしても、相手から「一子ちゃんのこと、かな?」と口にしたということは、俺と一子の関係をまるきり知らないというわけではなさそうだった。どこまで知ってるんだろうかと思う。
「え、と」
俺の顔が強張っていたからなのか、川嶋一平は必死に言葉を探しているようだった。「もし、よかったら、教室に入って話す?立ち話もあれでしょ?でもすぐにひとが集まって来ちゃうと思うんだけど、いいかな?」
「いえ。ここで」
「あ、そう?ならいいけど」
いや、ほんとごめんね、とまた謝る。低い。腰も頭も低すぎる。こんなやつのどこがいいんだと、歳よりもうんと幼く見える女の顔を思い出していた。見かけばっかりタイプだからって、もっと中身で選んだらどうなんだ。
 こちらがなかなか口を開かないからだろう、川嶋一平は所在無げに突っ立っている。困惑した気持ちが顔にも仕草にも、前面に押し出されていた。
 なんか頼りない男だな。こんな男はだめだ、こんな男に一子は渡せないと、父親みたいなことを考えてしまう自分がいた。
「一子のこと、どう思ってるんですか?」
 単刀直入に訊いてやった。遠回しにしても仕方ないし。
 一子がこいつを好きで。こいつも一子を好きなのなら、俺は身を退くしかないのかなと、そんな思いが微かに生まれていたのは本当だ。別に謙虚な気持ちからそんなことを考えたわけじゃない。そういう柄じゃないし。ただみっともなく取り乱すのだけは嫌だった。
「え?」
川嶋一平の顔がふにゃりと崩れる。「どうって。そりゃね、可愛いよ。もう、ものすごく可愛いんだ。親しくなれて良かったなって思ってる」
 唖然とした。
 のろけている。
 俺を相手に、一子のことを思い出しながら幸せそうな顔をする男。溢れんばかりの幸福な笑顔を見せつける男。
 勘弁してくれよ、と思う。
 冷静さを失いそうだった。
 つい胸ポケットを触っていた。コーデュロイの生地の下の煙草の箱。ここで吸うわけにはいかないのに手が伸びてしまう。イラ、っとした。
「─── さっき。俺に悪いことした、って言いましたよね?」
「あ、うん。ほんとに。色々悪かったね」
 え?あれ?
 一子とこいつは、もうできてんのか?と、下種な想像が頭を過ぎり、ぱっと相手の顔を真正面から見た。眼鏡の奥の瞳が幸せそうに細められている。
 いや、でもそれはない。…はず。一昨日の夜、一子は確かに初めてだった。
 心臓がばくばく鳴っていた。
 一子を失うかもしれない現実をそのとき初めて実感した。
 何が身を退く、だ。ザマはなかった。
「きみのお父さんにもほんとお世話になったんだ。なのに、なんていうかこんなことになっちゃって…」
「は?」
「え?」
「俺の親父?」
「…う、ん」
「俺の親父に世話になったって何ですか?みたむらへの就職のこと、ですか?」
「いや、違う。…あれ?」
「え?」
 相手が小首を傾げている。俺は、つい煙草の箱を取り出していた。一本指で摘み口に銜えた。葉っぱの匂いがして今すぐにでも火を点けたい衝動に駆られた。焦燥感ばかりが募っていた。
「あ。ここ禁煙だよ」
「わかってますよ。─── で?俺に悪いって、何なんですか?よく話が見えないんですけど」
「だから、その…」
「何?」
 知らず言葉が乱暴になっていた。
─── 婚約破棄のことだよ。
 目の前の男が申し訳なさそうに小さな声で言った。つづけて、ほんとに悪かったね、と。
 婚約破棄?
「は?」
「きみのお父さんのほうから言い出してくれて、しかも僕との…」
「ちょっと待てよ」
相手の言葉を遮る。敬語がすっかり抜けていることなど気付いてもいなかった。
「何だよ?婚約破棄って?」
「え?きみと一子ちゃんの」
「俺と一子?」
 口にして愕然とした。
 俺と一子の婚約が破棄?
 俺と川嶋一平は暫く顔を見合わせていた。
 相手の顔がぽかんとした表情からしまった、という顔付きに切り替わった瞬間、これは本当のことなんだとはっきりと悟った。
 嘘だろ?と思う。しかもうちの親父はそれを知っているらしいのだ。でも、俺は何も知らされてはいない。混乱していた。
「もしかして、聞いてなかったの?」
「……」
 返事ができなかった。煙草はとっくに床に落ちている。膝を折って拾うのもめんどくさかった。身体中の血液に乳酸が溜まっていく感覚。長距離走をしたあとと同じように筋肉が重く硬く思うように動かせなかった。拾ってもらえない煙草に視線を当てたまま言う。
「それって、あんたが現われたから?」
「え?」
相手が怯えたような声を出した。「ま、まあ、そう、かな」
 ぬけぬけと。よく言うよな、と思う。
 じっと相手の顔に焦点を当てた。ああ。やっぱり誰かに似てるよな、と思いながら。
「一子は?」
「え?」
「一子はあんたを好きだって?」
「え?あ。どうだろ…」
 思わず眉間に皺を寄せていた。今さら。
「あんたは?一子のことどう思ってんの?」
「そりゃ、まあ、ぼくは可愛いと思ってるよ」
川嶋一平が目じりを下げる。「ずっとひとりだって思ってたから。あんな可愛い妹が突然できて、初めはどうしたらいいかわかんなかったんだけどね」
「……」
 妹。
「さっき、学食で出会ったよね?一子ちゃんとあんな風にゆっくり話ができるなんて─── 」
「妹?」
「え?」
「妹って誰?」
「え。だから一子ちゃん」
 眼鏡の奥の瞳が戸惑っていた。
 そんなに大きくない目。垂れた目じり。ひとの好さをありありと窺わせる眼差しだった。
─── お母さん、家出しちゃった。
─── お父さんがまた爆弾落としちゃって。
 あー。
 俺は天井を仰いだ。
 そういうことか。
 こいつ、一子んとこのおじさんに似てるんだ。
 そして。
 一子にも。
 優しくて少し気弱な目許にもう一度視線を当てながら、今知らされた事実がどういうことなのか、俺はこれからどうすればいいのか、懸命に自分の中で整理していた。
 このひとが一子のコイビトなんかではなく、兄だったとしても。
 一子と俺の婚約が破棄されていた。
 その事実は変わらないのだ。




 
 居酒屋の、トイレへとつづく薄暗い廊下。
 電灯は足元と天井に、薄くほんのりと灯っている。
 木板の壁に背中を預けて長いこと待っていた。なかなか一子はトイレから出てこない。もしかして泣いてんのかな。
 トイレが空くのを待っている女がひとり、ドアの前に立っていた。二十代後半の全然知らない女。時折こちらに不審気な視線を送ってくる。俯いて靴の先を見詰めた。いくら時間を与えられたところで、一子に対するうまい言い訳は思いつかなかった。
 やがて一子が姿を見せた。フツーの顔で。泣いた形跡などどこにもない。俺を見る目に拒絶の色も窺えない。でも、目の前を何も言わずに素通りしていく。こちらが自分を待っていたことくらいわかるだろうに。
「一子」
 腕を掴んだ。
 一子がゆっくりとこちらを仰ぐ。
 感情のこもっていない冷たい視線だ。
 あー。やっぱ怒ってんだな。当たり前だけど。
 いっそ瞳の奥に隠してしまった感情を、今すぐここで取り出してくれたらいいのにと思う。それがどんな酷い言葉であろうと構わないから、思い切りぶつけてくれたらどれほど楽だろうかと。こんな風に視線だけで責められるのはたまらなかった。
「何?」
「何、って…」
 ふ、っと。一子の目が少しだけ悲しそうに狭められた。
「イッキ」
「はい」
「口紅」
「え?」
「イッキ、口紅、ついてる」
「え」
 一子の腕を掴んでいた手を反射的にぱっと離しそのまま自分の唇に当てた。強く拭ってから手の甲を見ると、確かに人工的なピンク色がてかてかと光っていた。なんだかこちらの迂闊さを嘲笑っているようにさえ見える光加減だと、そんなことを思う。
 その色に暫く見入ってから顔を上げた。一子の姿はとっくに見えなくなっていた。

 



 久しぶりに聞く母親の声は、こちらの深刻振りなどお構いなしの呑気なものだった。
『あらー。そうなのよー。今度、樹が帰って来たらゆっくり話そうって、お父さんとも相談してたんだけどね。あんたなかなか帰って来ないから』
 ふっざけんなよ、ばばあっ。
 瞼を閉じ、携帯電話を持つ指先に力を入れることで、文句のひとつも言いたい気持ちをぐっと堪えた。このひとを怒らせると無茶苦茶怖いから。学費だって止められかねない。男四人を育て上げた女は強いのだ。
「じゃあ、本当なんだ…」
 俺と一子との婚約話はとっくに白紙に戻っていたのだ。
『まあ、それはそうなんだけどね。あんたともきちんと話をしたいから、一度うちに戻ってらっしゃいよ。ほんと、あんたってば電話のひとつも寄越さないで。ケータイに電話しても出ないし、かけ直しても来ないから。今日は時間取れないの?ガッコー、お休みなんでしょう?』
 ガッコーとは大学のことではなく夜間に通っている、司法試験の予備校のことだ。
「今日は無理。約束がある」
『…そんなこと言って。じゃあ、いつなら帰ってこられるの?』
「いい」
『は?』
「もういい。わかった」
『ちょっと、こらっ、いつ…』
 まだ何か言ってる母親の声を遮るように携帯電話を切ると、乱暴に後ろポケットに押し込んだ。
 どいつもこいつも。
 何でもかんでも隠しやがって。
 俺に感情がないとでも思っているのだろうか。いくらいつもクールなふりを装っているからってそんな人間いるわけがない。そこらじゅうを蹴り飛ばしたいような凶暴な気持ちがふつふつと沸いてくる。
 憤然とした思いを抑えつつ、廊下から窓の外を見ると、雪が少しずつ舞い始めていた。今日は中野たちと飲みに行く約束があるので一旦バイクを置きにアパートに帰らなければならない。めんどくさいな、と思う。こんな気持ちで酒なんか飲んだらやけ酒になりかねない。
 外に出ると、ぷつりぷつりと濡れた音を立てて雪がダウンジャケットにシミを点けていった。大きな粒だ。見上げた空は一昨日と同じように低く暗い。吐き出す息は真っ白だ。寒さを堪えながら煙草を口にした。ポケットから出した指先はあっという間に感覚を奪われていく。鼻がつんと痛い。きっと寒さの所為。ずずっと鼻をすすった。
 それにしても。
 一番わからないのは一子だ。
 一子は俺達の婚約が破棄されたことを知っていながら俺のとこへ来たのだ。
 なんで?
 あの日の一子の思いつめた、今にも溶けそうな雪のように白い顔を思い出そうとしたけれど、頭に浮かぶのは幼い頃遊んだ屈託のない笑い顔ばかりだった。
 煙草の先が雪で濡れる。じんわり湿っていく様をたっぷり時間をかけて見つめたあと、ライターを取り出した。
 どちらにしても白紙は白紙だ。
 それに自分だって。
 婚約という鎖がふたりの間にあるのをいいことに、ずっと一子を放っておいたのだから文句なんか言えるはずもなかった。怠慢のツケが回ってきただけだ。けれど、その代償は思いのほか大きかった。足元にぽっかりと暗い穴が空いて、落ちることはないけれど、ただその上に浮かんでいるみたいだった。
 火は点かないだろうと思いつつ何度もかちかちとライターを煙草の先に当てた。
 何やってんだろうな。
 何やってんだろう、と思う。
 虚しかった。
 いつまでもライターを弄びながら、泣き笑いの表情になった。
 
 



 一子は席を外したにもかかわらず、またもあのリーマン野郎の隣に戻り座っていた。真面目っつーかなんつーか。
 呆れる。
 アルコールの所為で目が据わったリーマン野郎は、時折一子の肩に触れたりなんかしてすっかりセクハラ親父と化している。腹立たしいことこの上ない。見ていられなくてふいっと視線を外した。
 テーブルに並べられた料理の皿はどれもこれも空っぽだ。つけ合せの緑の野菜が食べられることなく残っているだけ。初めにビールばかり飲んであまり食べ物に手をつけていなかったので、今頃になってお腹が空いてきた。
 会費制ということは時間が来たら出ないといけないのではないかと思うのだが、店員は何も言って来ない。白いシャツに黒いギャルソンエプロンを腰に巻いた店員が何人かいたが、それほど忙しく立ち働いているようにも見えなかった。平日なので、客は少ないのかも知れない。
 田辺は帰ったのか、姿が見えなくなっていた。
 一子がすうっと暖簾の向こうから姿を消したあと、目を合わせた田辺は幽霊のような蒼白な顔で、ごめんなさいと謝った。一子に向けていた挑戦的な光はどこにもなく、怯えているといってもいいような表情に取って代わっていた。俺はただ黙って首を横に振った。
 結局田辺はどんな選択をしたのだろうか。
 カバみたいなもうどうしようもない男、と田辺は言っていた。その男のもとへ行ったのだろうか。それとも帰ってしまったのか。そう考え、すぐにその件は遠くに追いやることにした。俺には関係のない話だ。好きでもない女を助けてやることなんかできない。
「一子ちゃん、大丈夫なの?」
中野が一子のほうに視線を送りながら心配そうに言う。「お前、よく平気で見てられるよな。あんなべたべた触られてんのにさ。俺だったらもう怒りまくってるね」
「…平気じゃねえよ」
 中野が猪口を口に当てたままちらりとこちらを見た。意外、といった顔をしている。
「そうなの?」
 黙って頷いた。
「じゃあ、ひと言言ってやればいいじゃん。一子ちゃん、こっちに呼んでやるとかさ」
「嫌なら嫌って自分で言えんだろ?ガキじゃないんだから」
 中野が呆気に取られたような顔で絶句している。まあ、今のはちょっと言いすぎかな、と自分でも思った。一子のほうに視線を遣ったが、最初ほど嫌がっているようにも見えなかった。
「ああいうのは本人がびしっと言わなきゃダメなんだよ。他の男がちょっかいなんか出したら却って気持ちを煽られるだけ。ほっとくのが一番」
「樹、お前ね…」
中野は眼鏡をずり上げ言う。「お前の言うことは確かに正しいよ。正しいとは思うけどさ。もう少しだけ一子ちゃんに優しくできないの?なんか、一子ちゃん可哀相だよ」
「俺は優しいだろ」
「はああ?どこがだよっ」
 一子の隣に大野が座った。リーマン野郎に仕切りに何か言っている。何が可笑しいのか三人で笑い始めた。一子は楽しそうだ。笑うと頬骨がぷっくり盛り上がり丸い顔がさらに丸みを増す。あんな顔を俺は当分見せてもらっていない。そう思いながら頬杖を突いて三人の遣り取りを眺めていた。
 トイレから戻ってからというもの、一子は決してこちらを見ようとはしなかった。やっぱ怒ってんのかな。まあ、あんな場面を見られたのだから仕方ないか。
 一子に優しく、と中野は言った。
 そう言えば、最近他の誰かにも同じようなことを言われた記憶がある。田辺にも、俺は女のコ全般に優しいのに一子にだけ意地悪をする、とそんなことを言われたっけ。でも、そうじゃなくて─── 。
 あひるみたいに唇を尖らせた一子の顔が浮かんだ。
─── 優しくしてほしい。
「よっく言うよな、樹。俺は中学生の頃から、お前の一子ちゃんに対する態度には常々…」
─── 何にもいらないよ。だってイッキ、今バイトもしてないから、お金あんまり持ってないんでしょ?
─── 何にもいらないから、そのかわり、ひとつだけお願いがあるんだけど。
「あっ」
思い出したっ。
 頬杖を外し、思わずそこら中に響くような大声を上げていた。自分らしからぬ失態。
 飛び出した声は酔っ払いの喧騒にうまくまぎれたのか、驚いてこちらを見るような人間は殆どいなかった。
「な、なんだよ。樹」
 傍にいた中野が一番びびっている。
「いや、別に」
 再び姿勢を元に戻し、しれっと答えた。
「何思い出したんだよ?」
 喧嘩の原因だ。多分、あれだと思う。
「こっちの話。それより、何か腹空かね?」
テーブルの下に追いやられたメニューに手を伸ばす。「追加注文したら怒られっかな?」
「そりゃ、自分で払えば誰も文句言わないだろうけど。次の店行くまで我慢したら?」
「あー。やっぱそう思う?」
 苦く笑いながらメニューに目を落とした。ラミネート加工されたつるつるの紙は天井の灯りを反射させていた。白く光った部分を見詰めながら、今更あの話を蒸し返すのはどうなんだ、ちょっと抵抗あるよな、と悩んでいた。かと言ってこちらから謝らない限りきっと許してはもらえないだろう。
 いやいや。そんな過去のことよりも。さっきの出来事のほうを先に解決しなくちゃいけないんじゃないだろうか。おそらくそちらのほうが重要だ。
 何だってこんなややこしいことになったんだろう。やっぱ俺が悪いんだな。優しくないから。
 よほど悩ましい顔をしていたのか、
「樹。そんなに食いたいんだったら、何か注文したら?誰も文句なんか言わないと思うよ」
真面目な顔で中野に同情された。


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